日々のこと

時空を超えて 今 受けとったもの

30年ほど前、小さな町の母校の中学校で、2週間 教育実習をした。
その最後の日に、受け持っていた2年生の男の子が このカブトムシをくれた。

昔のものは ほとんど残してないのに、このカブトムシは、しまっている場所は変わりながらも 私のもとに ずっとある。

さっき 久しぶりに このカブトムシを見つけ、手の平にのせたら…
なんともいえない感情が湧いて、なんだろう?……泣き続けている。

これをくれた男の子はおとなしくて、ほとんどしゃべらず、特に あてられると 何も言えなくなる子だった。
反対に 彼のひとつ上のお兄ちゃんは、休み時間ごとに 職員室の私の机に来ては、おしゃべりしていた。

だから、お兄ちゃんでなく、ほとんど言葉も交わしていない彼がくれたこと(それも手づくり)が 意外で、印象的で 嬉しかったのだ。

30年後の今、これを手にのせて、
湧き上がっているものは なんなのだろう?
こんなにも涙が出るのは なんなのだろう?

木を削って、掘って、形づくって、ニスを塗って、
さよならの日に 手渡してくれた。
言葉もなく。。。

「これ」は、君から 私に今 届いているもの?
私が 今、受け取っているもの?
今、私から 引き出されているもの?

……………

 

タイムカプセルのようだね、カブトムシくん。
受け取るのが遅すぎだけど、きっと「今」だったんだ。

君の 新しい居場所はどこにしよう

 

 

 

 

 

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